こんにちは、ケントです。
ぼくはハスキーのバッキーとイリーナと暮らしてきました。家で仕事をしながら、子どもたちと暮らしています。だから、この話はひとごとではありません。
先に結論です。
大型犬と子どもの暮らしで大事なのは、犬の性格に頼らず、家の決めごとで事故を防ぐことです。①小さな子どもと犬を二人きりにしない、②見ていられない時間は分ける、③子どもに約束を教える、④大人が犬のサインを読む。これがぼくの考え方です。
なお、この記事は「うちはこうして事故を防いだ」という体験談ではありません。アメリカンケネルクラブ(AKC)やコーネル大学などの情報をもとに、ぼくなりに整理したものです。
本記事の内容
- 「うちの犬は優しい」だけでは足りない理由
- 大人が決めておく3つのこと
- 子どもに教えたい6つの約束
- 大人が見ておきたい犬のサイン
- 子どもがかまれたときの動き方
- 歩くときと、お客さんが来たとき
- よくある質問
「うちの犬は優しい」だけでは足りない理由

AKC は、信頼している家庭の犬でも、状況によってはストレスを感じたり、驚いたり、落ち着かなくなったりすることがあると説明しています。親向けの案内でも、犬がどんなに優しく見えても、どんなによく知っている犬でも、小さな子どもと犬だけにしないようにと書いています。
つまり、問題は犬の性格だけではありません。子どもは急に走ったり、大きな声を出したりします。犬は寝ていたり、食べていたりします。悪気のない動きが重なるだけで、事故につながるおそれがあります。
大型犬の場合は、もうひとつ考えておきたいことがあります。かむかどうかとは別に、体が大きいので、ぶつかるだけで小さな子どもは転ぶかもしれないということです。ここはぼくの考えですが、だから大型犬の家では「仲がいいか」より「事故が起きにくい形になっているか」を見たいと思っています。
大人が決めておく3つのこと

1. 「見ている」は、そばにいて目を向けていること
コーネル大学の犬の健康センターは、子どもと犬のやりとりはすべて、大人の見守りが欠かせないとしています。
ウェールズの Animal Licensing Wales の案内は、もう少し具体的です。一緒にいるときは「見て、聞いて、近くにいる」こと。そして、楽しそうに遊んでいるように見えても事故は起こり得るので、目を離さないことを呼びかけています。
同じ部屋にいても、スマホやパソコンを見ていたら、見守っているとは言いにくいと思います。ぼくのように家で仕事をしていると、「家にいるから見ているつもり」になりやすいので、ここは自分への注意でもあります。
2. 見ていられない時間は、先に分ける
Animal Licensing Wales は、気が散りそうな時間には安全ゲートで分けるか、子どもか犬のどちらかを連れて移動することをすすめています。
ぼくなら、次のような時間は先に分けておくと決めます。
- 料理をしているとき
- オンラインの打ち合わせや電話のとき
- 朝の支度や送り出しでバタバタしているとき
- 洗濯物を干すなど、少しでも部屋を離れるとき
- 犬と子どものどちらかが興奮しているとき
「5分だけだから」がいちばん危ないと思うので、短い時間こそゲートを閉める習慣にしたいところです。大型犬は体が大きいので、ゲートやサークルは、飛び越えたり押し倒したりできない高さと固定のものを選びます。ケージやサークルの選び方は「大型犬のケージの選び方」にまとめています。
3. 犬が一人になれる場所を作る
コーネル大学は、犬がくつろげる安全な逃げ場所を用意することをすすめています。AKC も、クレートなどの静かで安全な場所で、犬に落ち着く時間をあげるという考え方を紹介しています。
大事なのは、そこにいる間は子どもが入らない・触らないと家族で決めることです。AKC も、子どもが犬のベッドにもぐり込まないよう教えることに触れています。
犬の寝床については「大型犬のベッドの選び方」も参考にしてください。
子どもに教えたい6つの約束

AKC は、幼児のころから、やさしい触り方や犬の境界を守ることを少しずつ教えられるとしています。小さな子には難しい言葉を使わず、短い言葉で伝えるのがいいと思います。
1. 寝ているときは、起こさない
Animal Licensing Wales は、寝ているときは起こさないように教えるよう書いています。だれでも急に起こされるのは嫌なものです、という説明は、子どもにも伝わりやすいと思います。
2. ごはん中は、近づかない
同じ案内では、食事やおやつの最中に近づくと、食べ物を取られると思われるかもしれないと説明しています。コーネル大学も、食事や休んでいるときは犬をそっとしておくよう教えることをすすめています。
3. 犬が持っているものは、取らない
お気に入りのおもちゃなどを持っているときは、渡したくないと思っているかもしれません。子どものおもちゃや食べ物を犬がくわえたときは、自分で取り返さず、大人を呼ぶ約束にしておきます。
4. なでるのは、背中や肩をやさしく
AKC の親向けの案内は、背中や肩を軽くなでること、多くの犬は頭の上をポンポンされるのを好まないこと、上から覆いかぶさらないことを挙げています。コーネル大学も、頭や足ではなく、体の横、背中、胸をなでるよう教えることをすすめています。
大型犬は「乗れそう」に見えるかもしれませんが、ぼくなら背中に乗ること、またがることはやめさせます。犬の体に負担がかかると思いますし、驚かせることにもなりそうです。
5. 犬のそばで走らない、叫ばない
コーネル大学は、走る、叫ぶ、追いかけるといった行動を避けるようすすめています。AKC も、子犬は走って叫ぶ子どもを追いかけて、甘がみすることがあると説明しています。
また、コーネル大学は、興奮しやすい遊びより、落ち着いてできる関わり方をすすめています。大型犬の場合、興奮して動くだけで、子どもにぶつかることもあると思います。雨の日の記事で紹介した引っ張りっこも、ぼくなら大人が相手をして、子どもだけではやらせません。
6. 犬が2頭いるときは、間に入らない
AKC は、興奮している犬たちの真ん中に入らないことを挙げています。犬が2頭いる家では、覚えておきたい約束です。
犬同士がじゃれ始めたら、子どもは少し離れて、大人を呼ぶ。これを約束にしておきます。
大人が見ておきたい犬のサイン

子どもに犬の気持ちを読ませるのは難しいので、ここは大人の仕事だと思います。コーネル大学は、段階ごとのサインを挙げています。
はじめのサイン
- あくび、まばたき、鼻を何度もなめる
- 顔をそらす、目を合わせない
- 体の向きを変える、歩いて離れる
強くなってきたサイン
- じりじり後ずさりする、耳を後ろに引く
- 体を低くして、しっぽを巻き込む
- 片足を上げて横になる
危ないサイン
- 体が固まる、じっとにらむ
- うなる
- かみつこうとする、かむ
あくびなどは、眠いときにも出るものだと思います。だからぼくなら、ひとつの動きだけで決めつけず、「子どもが近づいたときに毎回出ていないか」を見ます。
サインに気づいたら、静かに分ける
Animal Licensing Wales は、犬か子どものどちらかが嫌そうなら、穏やかに落ち着いて離すよう書いています。犬におやつやおもちゃを投げる、子どもを連れて離れる、といった方法です。
うなった犬を、叱らない
ここは意外に思う人もいるかもしれません。コーネル大学は、うなったことを罰してはいけないとしています。罰すると、警告なしにかむようになるおそれがあるからです。AKC も、うなりや空がみは犬の自然な警告の仕方だと説明しています。
うなったら叱るのではなく、子どもと犬を離して、何が嫌だったのかを考える。そのほうがいいと、ぼくは思います。
急に様子が変わったら、体の不調も疑う
AKC の案内では、年を重ねた犬の行動が変わったときは、体のどこかに不調があるのかもしれないので、獣医師に相談するようすすめています。怖がったり攻撃的になったりする様子があれば、コーネル大学は早めにトレーナーや獣医行動診療の専門家へ相談することをすすめています。
子どもがかまれたときの動き方

慌てないように、動き方を先に知っておきます。
- 子どもと犬を離す。犬を叩いたり、大声を出したりしない
- 傷口を洗う。埼玉県草加保健所は、水道水でよく洗い、消毒をして、医師の治療を受けるよう案内しています
- 小さな傷に見えても、自分で判断せず受診を考える
- どんな場面だったかをメモする(いつ、どこで、何をしていたとき、犬の様子)
- 自分の地域の保健所などに、届出が必要か確認する
手続きは、地域によって違います。たとえば東京都の案内では、飼い犬が人をかんだとき、飼い主は24時間以内に事故発生届出書を出し、48時間以内に狂犬病の疑いの有無を獣医師に検診してもらうことになっています。
ただ、今回確認した東京都と埼玉県のページには、家族がかまれた場合の扱いまでは書かれていませんでした。自分の家の中で起きたことでも、保健所などに電話で聞いてみるのが確実だと思います。
歩くときと、お客さんが来たとき

家の外でも、決めごとは同じです。
リードは大人が持つ
大型犬は力が強いので、ぼくなら子どもだけにはリードを持たせません。引っ張られて転んだり、手が離れて犬が走り出したりするおそれがあるからです。一緒に歩くなら、大人がメインのリードを持ちます。

引っ張りが強い子は「大型犬の散歩で引っ張るときの対策」、散歩前の道具の点検は「大型犬の首輪がすっぽ抜けるのはなぜ?」も参考にしてください。
友だちが遊びに来るときは、先に分ける
友だちは犬の決めごとを知りません。走り回ったり、急に触ろうとしたりするかもしれません。ぼくなら、最初から犬を別の部屋かゲートの向こうで休ませます。
年末年始など来客が増える時期の注意は「年末年始、大型犬と暮らす家で気をつけたい7つのこと」に書いています。
よその犬に近づくとき
AKC は、飼い主に聞いてから、犬のほうから近づいてもらい、握った手のにおいをかいでもらうという順番を案内しています。放されている犬が近づいてきたときは、走らず、立ち止まって腕を組み、足元を見る「Be a Tree(木になる)」を教えています。
よくある質問

赤ちゃんが生まれる予定です。いつから準備すればいいですか?
Animal Licensing Wales は、赤ちゃんを迎えるなら、今から犬の準備を始めましょうと書いています。ぼくなら、生まれてから慌てないよう、ゲートで分ける生活や犬の休む場所の練習を先に始めます。不安があれば、獣医師やトレーナーに相談してみてください。
何歳になったら、子どもと犬だけにしていいですか?
今回確認した資料に、何歳からという決まった年齢は書かれていませんでした。AKC は、特に幼い子どもには直接の見守りを強くすすめるとしています。子どもの様子と犬の様子によるので、年齢だけで決めないほうがいいと思います。
叱っても子どもが約束を忘れます。
小さな子どもが忘れるのは、自然なことだと思います。だから、約束だけに頼らず、ゲートや部屋の分け方で事故が起きにくい形にしておきます。守れたときにほめるほうが、続けやすいと思います。
犬を飼う前ですが、子どもがいても大型犬を迎えられますか?
向き不向きは家によって違います。「大型犬を飼うメリット・デメリットを全部話す」に、ぼくの考えを書いています。
まとめ|優しさに頼らず、家の決めごとで守る

- どんなに優しい犬でも、小さな子どもと犬だけにしない
- 見ていられない時間は、ゲートなどで先に分ける
- 犬が一人になれる場所を作り、そこでは子どもが触らない
- 寝ているとき、ごはん中、物を持っているときはそっとしておく
- あくびや顔をそらす動きなど、早いサインのうちに大人が離す
- うなっても叱らず、離してから理由を考える
- かまれたら洗って受診を考え、届出は地域の窓口に確認する
まずは今日、「料理と電話のとき、犬と子どもをどう分けるか」を家族で決めてみてください。それだけでも、見ていない時間を減らせるはずです。
ハスキーとの暮らし全体の準備は「シベリアンハスキーの飼い方完全ガイド」、家と仕事の回し方は「フリーランスは子育てと両立できる?」にまとめています。
参考資料
- AKC「How to Help Children Understand and Respect Dogs」
- AKC「Safety Around Dogs Parent Guide」(PDF)
- AKC「Why Do Dogs Bite?」
- コーネル大学 Riney Canine Health Center「Dog Bite Prevention」
- Animal Licensing Wales「Keeping dogs and children safe and happy together」
- 東京都動物愛護相談センター「動物による事故」
- 埼玉県「犬による咬傷事故」
※本記事は公開情報と、ハスキーと暮らしてきたぼくの考えをまとめたものです。かまれたけがの判断は医師へ、犬の行動や体調に不安がある場合は獣医師や専門のトレーナーへ相談してください。窓口や手続きは地域によって違うので、お住まいの地域の最新情報を確認してください。
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