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「もし今、大きな地震が来たら、この子たちを連れて逃げられるだろうか?」

こんにちは、ケントです。

ぼくはハスキーのバッキーとイリーナと暮らしています。小型犬なら抱えて走ることもできますが、大型犬はそうはいきません。体が大きい、力が強い、荷物も多い。だからこそ、大型犬の防災は「その日」ではなく「普段」にどれだけ準備できているかで決まると考えています。

先に結論です。

大型犬との避難で大事なのは、①避難所で一緒の部屋にいられるとは限らないと知っておくこと、②5日分以上の備え、③クレートで落ち着いて過ごせる練習、④はぐれたときに飼い主が分かる印。この4つを平常時に整えておくことです。

本記事の内容

  1. まず知っておきたい「同行避難」の意味
  2. 大型犬と暮らす家で今日からできる7つの準備
  3. 大型犬ならではの注意点
  4. よくある質問

まず知っておきたい「同行避難」の意味

ハーネスとリードを着けて並んで歩く2頭の犬

災害のときにペットを連れて避難することを「同行避難」といいます。ここで勘違いしやすいのが、同行避難は「避難所で犬と同じ部屋で過ごせる」という意味ではないという点です。

横浜市の災害時のペット対策では、ペット同行避難を「被災時に地域防災拠点などの避難所へペットとともに避難すること」とし、避難所内で飼い主がペットを同室で飼育管理することではない、と説明しています。

北九州市は、もう一歩くわしく言葉を分けています。

  • 同行避難:一緒に避難し、原則として飼い主とペットは避難所内の別々の場所(専用の区画など)で過ごす
  • 同伴避難:一緒に避難し、飼い主とペットが避難所内の同じ場所(同じ部屋など)で過ごす

つまり、避難所に着いたら犬はケージに入って別の場所、ということも十分ありえます。動物が苦手な人やアレルギーがある人も同じ避難所にいるので、これは仕方のないことです。

だからこそ、犬が飼い主と離れても、ケージの中で落ち着いていられるかが、避難生活の大きな分かれ道になります。

大型犬と暮らす家で、今日からできる7つの準備

屋外で落ち着いて過ごす犬

1. フードと水は「5日分以上」を用意する

横浜市は、キャリーバッグやケージとあわせて、少なくとも5日分以上(できれば7日分以上)の物資を入れた「ペット用非常持出袋」を準備するよう案内しています。さらに、避難所にはペットフードやケージなどペット用品の備蓄はない、とはっきり書かれています。

大型犬は1日に食べる量も飲む水の量も多いので、5日分でもかなりの量になります。

  • 食べ慣れたフード(災害時に急にフードが変わると、お腹をこわす子もいます)
  • 水
  • 食器(折りたたみ式だとかさばりません)
  • 薬や療法食がある子は、その分も多めに

フードは、いつものフードを少し多めに買い置きして、古いものから使っていく「ローリングストック」にすると無理なく続けられます。フード選びの考え方は「大型犬のドッグフードの選び方」にまとめています。

2. 非常持出袋は「人の防災バッグの隣」に置く

フード以外にも、避難のときに必要になるものがあります。

  • 予備の首輪・リード(ハーネス)
  • ペットシーツ、うんち袋、ウェットティッシュ
  • タオル、ブラシ
  • 犬の写真(スマホの中だけでなく、紙に印刷したものも)
  • ワクチン接種や健康状態のメモ、かかりつけの動物病院の連絡先

これを人の防災バッグと同じ場所に置いておきます。いざというとき、別の部屋まで取りに行く余裕はないかもしれないからです。

3. クレートに慣らしておく

ここが大型犬の防災でいちばん大事なところだと、ぼくは考えています。

北九州市が設けているペット同伴者専用避難所では、受け入れできる動物の条件として「ケージなどに入れて管理できること」を挙げ、ケージに入らない大きな動物は受け入れできないとしています。犬の大きさに決まった上限が書かれているわけではありませんが、大型犬でも、自分の体に合ったクレートに入って過ごせることが前提になる、ということです。

横浜市も、普段からのしつけとして「キャリーバッグやケージへの慣れ」を挙げています。

  • 家の中にクレートを置き、扉を開けたまま自由に出入りさせる
  • 中でおやつをあげたり、休む場所として使ったりする
  • 少しずつ扉を閉める時間をのばす

いきなり閉じ込めると、クレートが「嫌な場所」になってしまいます。普段の昼寝場所の一つにするくらいの気持ちで、時間をかけて慣らすのがおすすめです。

大型犬用のクレートは大きくて重いので、車に積めるか、玄関から出せるかも買う前に確認しておきましょう。

楽天市場で大型犬用のクレートを見る

ケージ・サークル・クレートの違いやサイズの考え方は「大型犬のケージの選び方」でくわしく書いています。

4. 迷子札・鑑札・マイクロチップで「飼い主が分かる」ようにする

災害のときは、驚いて逃げ出したり、家が壊れて外に出てしまったりして、犬とはぐれることがあります。横浜市も、離ればなれになることを想定して「飼い主の明示を徹底しましょう」と呼びかけています。

  • 首輪に迷子札(名前と連絡先)を付ける
  • 犬の鑑札・狂犬病予防注射済票を首輪に付けておく
  • マイクロチップの登録情報が今の住所・電話番号になっているか確認する

環境省の案内によると、2022年6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫にはマイクロチップの装着が義務化されていて、購入した飼い主は自分の情報への変更登録が必要です。引っ越しなどで登録事項が変わったときの変更届は、手数料がかからないとされています。

マイクロチップが入っていても、登録情報が古いままでは飼い主にたどり着けません。一度確認しておくだけで安心が増えます。

5. 健康管理と「触られ慣れ」をしておく

避難所では、たくさんの人や動物と近い距離で過ごします。横浜市は、狂犬病予防接種、ワクチン、ダニやノミの駆除などを日頃から実施するよう案内しています。

あわせて、しつけとして次のようなことも挙げられています。

  • 人や動物に慣らしておく
  • 音や物に慣らしておく
  • 不必要に吠えない(鳴かない)ようにしておく
  • 体のどこを触られても大丈夫なようにしておく

ハスキーは遠吠えが得意な犬種なので、ぼくとしては特に気になるところです。完璧にする必要はありませんが、「知らない人に触られても大丈夫」「知らない場所でもトイレができる」くらいを目標に、普段の散歩や来客のときに少しずつ慣らしていくのが現実的だと思います。

6. 自分の地域の避難所が「ペットをどう受け入れるか」を調べる

ペットの受け入れ方は、自治体や避難所によって違います。北九州市のように、避難生活が長くなる場合などに、ペットと同じ場所で過ごせる専用の避難所を2次的に開設する仕組みを作っている自治体もあります。

  • 近くの避難所はペットを受け入れているか
  • 受け入れる場合、犬はどこで過ごすのか(屋外・別室など)
  • 大型犬でも受け入れてもらえるか

これは住んでいる市区町村のホームページや防災担当の窓口で確認できます。分からなければ、平常時のうちに問い合わせておくのがいちばん確実です。

7. 避難所以外の「逃げ先」も考えておく

大型犬を2頭連れて避難所で過ごすのは、犬にとっても周りの人にとっても大変です。だからこそ、避難所だけに頼らない選択肢も考えておきたいところです。

  • 家が無事なら、そのまま自宅で過ごす(在宅避難)
  • 車で過ごす場合の、暑さ寒さ対策
  • 被災していない地域の親戚や友人の家
  • かかりつけの動物病院やペットホテルに一時的に預かってもらえるか

どれも平常時に話をしておかないと、いざというときには頼みにくいものです。

車の中は、夏は暑く、冬は冷えます。季節ごとの注意点は「シベリアンハスキーは暑さに弱い?」と「ハスキーは寒さに強い?冬に気をつけたい7つのこと」でも書いています。

大型犬ならではの注意点

ひまわり畑の前に座るハスキー

抱えて逃げられない前提で考える

小型犬なら、キャリーに入れて抱えて逃げられます。大型犬は自分の足で歩いてもらうしかありません。

  • がれきやガラスの上を歩くこともあるので、散歩後に足を確認する習慣をつけておく
  • 興奮しても制御できるよう、リードとハーネスの状態を普段から点検しておく
  • 2頭以上いる家は、だれがどの子を連れて出るかを家族で決めておく

散歩中の引っ張りが強い子は、普段の練習がそのまま防災になります。「大型犬の散歩で引っ張るときの対策」も参考にしてください。

荷物が多いことを前提に、持ち出す順番を決める

大型犬の5日分のフードと水、クレート、トイレ用品をすべて一度に持ち出すのは、現実にはかなり大変です。

優先順位をつけて、「犬・リード・首輪(迷子札)・薬・最低限の水とフード」は絶対に持って出る、それ以外は余裕があれば、と家族で決めておくと迷わずに済みます。

留守中に災害が起きたときのことも考える

フリーランスのぼくは家にいる時間が長いほうですが、それでも外出中に何かが起きる可能性はあります。

  • 家族のだれが家に戻れるか
  • 近所に頼れる人がいるか
  • 家の中で犬がいる場所に、倒れてくる家具がないか

留守番中の様子を外から見る方法は「大型犬の留守番に見守りカメラは必要?」にまとめています。

よくある質問

室内で過ごす大型犬

避難所には大型犬も連れて行けますか?

自治体や避難所によって違います。同行避難を受け入れていても、犬は屋外や別の場所で過ごすことが多く、ケージに入れて管理できることが条件になる場合もあります。住んでいる地域の避難所の方針を、平常時に確認しておいてください。

備蓄は何日分あればいいですか?

横浜市は、少なくとも5日分以上、できれば7日分以上を目安にしています。避難所にはペット用品の備蓄がないこともあるので、飼い主が用意することが前提です。

マイクロチップが入っていれば迷子札はいりませんか?

マイクロチップは専用の読み取り機がないと情報が分かりません。拾ってくれた人がすぐに連絡できるよう、迷子札もあわせて付けておくのがおすすめです。

何から始めればいいか分かりません。

まずは「いつものフードを少し多めに買い置きする」「迷子札の連絡先が今の番号か確認する」の2つからで十分です。どちらも今日できます。

まとめ|大型犬の防災は「普段の暮らし」の延長にある

草地でくつろぐ大型犬

大型犬との避難は、小型犬よりも準備が大切です。

  • 同行避難は「同じ部屋で過ごせる」という意味ではない
  • フードと水は5日分以上(できれば7日分以上)
  • 非常持出袋は人の防災バッグの隣に置く
  • クレートで落ち着いて過ごせるよう、普段から慣らす
  • 迷子札・鑑札・マイクロチップの登録情報を確認する
  • 健康管理と、人や音への慣れ
  • 地域の避難所の方針と、避難所以外の逃げ先を調べておく

どれも特別なことではなく、普段のしつけや買い物の延長でできることばかりです。

まずは今日、迷子札の電話番号を確認するところから始めてみてください。

ハスキーとの暮らし全体の準備は「シベリアンハスキーの飼い方完全ガイド」にまとめています。

参考資料

屋外でこちらを見る犬

※本記事は自治体・環境省の公開情報と、ハスキーと暮らすぼくの考えをまとめたものです。避難所の受け入れ方は地域によって異なります。お住まいの市区町村の最新情報を確認してください。

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